三和トレーディング
  ホーム お知らせ ミニ講座 パーツリスト モータースポーツ ショップ紹介 ストックカー 会社概要
 
ミニ講座
あなたにも出来る1時間修理
1時間じゃ解からないチューニングの話
1時間じゃ解らないDEEPな話
Let's enjoy Mini3万円からのMini生活
あなたにも出来る10分間チェック
1時間じゃ解からないDEEPな話
No.07 表面処理

現在、4気筒エンジンの多くはクランクジャーナルが5ヶ所ありますが、半世紀も前に設計されたミニでは発売当初848cc(34bhp/5500rpm)からジャーナル部を3ヶ所で抑えています。よって1959年に誕生したミニを現代的なパワーへチューニングアップしていく課程で、クランクはねじれ、曲がり、ベアリングが焼き付くなど強度不足に起因する不具合が生じます。この対策のひとつとして、前説No.4でも触れたセンターメインキャップをご利用頂いているオーナーも多いことでしょう。

しかし特別な部品で抑えなくとも、ネジレる事なく、力を伝えられるクランクシャフト本体の強度が必要であり、自分のクランクがEN40Bと呼ばれる強靭な合金であるか否かが注目されます。

ある英国チューナーにナイトライドとタフトライドのクランクについて聞くと、


Nitrideはクランクシャフトを硬くする化学処理で、EN40B素材だけに出来ます。約0.03インチ(0.7mm)浸透し、硬化してからもまだクランクが磨く事が出来る、硬度を上げるには最良の方法です。

Tufrideも化学処理のことで、磨いたら剥がれてしまうような約0.01インチ(0.254mm)浸透した耐磨耗性の表面処理というだけです。例えばMGメトロとメトロターボのクランクで唯一の違いは、メトロターボのクランクはタフトライドでした。


より高性能が求められるレースフィールドにおいては、素材の性質だけに留まらず、表面処理を施し、より強度の高い精密な部品が求められています。

※表面処理には、素材の表面の性質を高める機械工作の一種で装飾用のメッキや、防錆としてパーカーライジング
という処理方法もあります。ここでは、鉄鋼材料の機械的性質を向上させる表面改質の技術を指します。


・有名チューニングメーカーの広告記事より引用
『鍛造クロモリEN40B材を使用し、ガス窒化処理をほどこしています。信頼に値する高剛性をお約束します。』

・F1参戦メーカーHP掲載記事より引用
『クランクシャフトのプラズマ窒化処理。クランク表面をプラズマにより熱処理することで、高い強度を与えるのだ。』

・WRC参戦メーカーのモータースポーツ部門HP記事より引用
『「競技専用クランクシャフト」は、窒化処理(WRCエンジン用と同じ熱処理)を施し、疲労強度を向上させました。』


クランクシャフトを始めコンロッドやピストンなどレーシングエンジン部品に表面処理を施し、表面硬度を上げることで全体の剛性を高めて強度を得ています。耐久性の向上とフリクションの低減を可能にする表面処理に注目してパーツ選定することも、エンジンの寿命を延ばす一手段となることでしょう。

 

  商品のお問い合わせ・点検は全国ミニショップまで。 ▲ページTOPへ
 
 Copyright (C) 2003-2004 SANWA TRADING & CO., All Rights Reserved.