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No.08 フライホイールとクラッチ

998チャレンジのチャンピオンカーであれば、筑波サーキット1分20秒台でどうにか周回していますが、これが1300ccで限りなくノーマル1.3iに近いミニとなると1分20秒前後を目標タイムとするとかなり難しいタイムなのです。これがそれ程の高出力エンジンでなくともチューニングを上手にされたミニ1.3iであれば1分15秒辺りは射程圏内となります。
90馬力とは現代車の中では小さな数字ではありますが、ミニの車体サイズにはベストマッチなのです。この90馬力を目標としたチューニングではエンジンブロック内のクランクやコンロッドの加工、そしてフライホイールの軽量化などがチューニングメニューに加わって参ります。

フライホイール:Flywheelは、日本語で【弾み車、勢車(いずれも読みはハズミグルマ)】と言い、力のエネルギーを回転として保存する機械部品です。軽くすると慣性モーメントの減少に伴ってエンジンの吹け上がりは向上する代わりに、安定性が損なわれてトルク不足や振動発生などの起因となります。強度的な限界もあり、軽量なほど良いとか、出力向上に有利である訳では全くありませんが、重量は純正7.6kgに対し、3.0kgに近い超軽量スチール製のレース用パーツもあります。

そしてある程度のエンジンチューニングを、上限90馬力とお考えの方で、街乗りだけを前提としている場合は、純正スタンダードフライホイール+軽量化で問題ありません。また90馬力でジムカーナやサーキット走行をお考えの方はスチールフライホイールを進言します。そしてこの場合は当然、軽量のモノを選択することになります。

ただの弾み車に何故スチールの軽量タイプが必要なのかは下記の要素が重要と言えるのです。

(1) 耐久性
純正より断然強く、変形もほとんど無く、常にクラッチワークが正確に行えると言えるのです。
(2) 安全性
90馬力では絶対に破損されないことが大切です。純正を大幅に軽量化して90馬力以上を求めてサーキット走行をガンガンやる事だけは止めてください。フライホイールの破損はミニに限らずとても危険です。
(3) 精度
純正よりも精度が高く、高回転時に不要なバイブレーションが発生し難いので、結果的には出力向上に直結してくると言えます。

それでは、純正フライホイール7.6kgは何kgまでのダイエットなら安全か?をお答えするのは中々難しい事ですが、サーキット走行をせずに街乗りだけのミニであるならば約30%位の軽量化として90馬力で5.0kgまでが無難であると思います。それでは街乗りでもサーキット走行でも乗って楽しいミニ1300チューニングにはどれくらいが最適かと申しますと、やはり5.0kgが良いと言えるのです。その理由としては低回転時のエンジン振動やトルク感が日本の街乗りにピッタリくるのです。これは我々の経験から来る所で、数字的な証明は全く出来ません。

そしてプレッシャープレート(バックプレート)、クラッチプレート(クラッチディスク)、クラッチカバー(ダイアフラム)とまだまだ色々な重量物がありますが、今回は旧タイプクラッチのミニで話を進めて参ります。

第1にクラッチのプレッシャ−プレートですが、これはクラッチプレートが直接面当たりする円盤で、これにも軽量タイプがあり、純正のままでもそれ程問題は無いのですが、やはり軽量の方が高回転時には有利に働きます。

そして第2にクラッチプレートにも色々なタイプがありますが、メタルクラッチは街乗りには不向きで、耐久性は1/10位となるでしょう。一般的な強化型を使用すれば90馬力には問題も無いでしょう。

第3にクラッチカバーですが、これは通称「オレンジ」「グレー」に色分けされた2タイプの強化型があり「オレンジ」が最適です。「グレー」はほぼ純レース競技専用と言えますので止めてください。サーキット走行でもジムカーナでも90馬力であれば「オレンジ」でも問題ありません。

このように『どの仕様までなら、どの強化パーツが最適!』なのかはなかなか判りづらく、そして判断も難しいのです。特に若いミニオーナーには。
「値段に差が無いから・・・」「見た目マジ格好良いから・・・」「あの有名な××さんが言っていた・・・」「何処ドコのGTカーにも付いているから・・・」「F1雑誌にも出ていたから・・・」これら全て鵜呑みにしてレース用パーツを流用すると、時としてとんでもないマイナス効果になる事があります。
正しい選択の90BHP仕様ミニは、それ程チューニングエンジンとして難しい訳ではありませんが、クロモリフライホイールや軽量スターターリングギアなどは必要ないでしょう。
昔々あるミニ屋さんで、何回かスターターモーターを回すと、リングギアが一定の箇所だけが刃こぼれし、その同じ場所にまたスターターギアが来てしまう為にエンジンは2度と掛からない(※押し掛けならばOK)というレースパーツが製作されました。レースではもちろんの事、街乗りでも全然使い物にならなかった商品はリングギア一体型の超軽量クロモリフライホイールでした。

このような話はミニに限らずレース用部品の中には数多くありまして、高価、高品質、高耐久性が全くバランスしないことが多いと言えるのです。

フライホイール、プレッシャープレート、クラッチプレート、クラッチカバー、プーリーこれら全てがクランクシャフトと一体となって連結されますので、これら重量物が高回転する際のバランス(タイヤバランスと同様に)重要になってきます。次はこのバランスが如何に大切かをご説明いたします。

【追記】

純正フライホイールをご自身で軽量化をトライしたい方のためにワンポイントアドバイスを申し上げますと、穴あけ加工による軽量化はそれ程高精度でなくても問題は発生しませんが、円周上で均等に行うことが要求されます。また、一度リングギアを高温にして外し、そのリングギアまで若干細くする際には、再度取り付けた後、必ず溶接で数箇所を点付けして下さい。レース中に発生する可能性があるリングギアの脱落防止には効果的です。

フライホイールは毎分アイドリング状態からスタートダッシュの場合、4〜5,000rpmでガツンとクラッチを直結させて7〜8,000rpmまで吹け上がり、セカンドギア、サードギアへと速度が上昇する訳ですが、この時フライホイールに加わるパワーは相当高く、絶対に破損は防止しなければなりません。大変危険なのです。純正+軽量加工は街乗りのみとお考え下さい。

※画像内の重量は参考値となります。

 

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