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No.42  

前回、ネガティブキャンバーについて、いろいろとご説明致しましたが、良くお分かり頂けなかった方の為に、簡単に追加説明いたします。

図1の右図のように、コーナー途中では必ず、車体は外側に行きたがります。車体が何度か傾いた分だけ、ミニのフロントのダブルウィシュボーンタイプのサスペンションが縮み、ネガティブキャンバーが発生します。この時のキャンバー角は車体の傾きに対して 2〜3°程にしかなりません。仮に車体が 4°傾く事になってもそこに、1.5°のロアアームでキャンバー角を加えれば、外側のタイヤだけは路面に対して垂直にトレッド面が接しているので、有利にタイヤ性能を引き出せると言えるのです。

しかしながら、公道の各コーナーと進入スピードのパターンは無限にある為に、全てに対応する事は無理な事で、どこかで適切なセッティングを求める事になるのです。このセッティングには「これ位い」と言った適用範囲があり、車高もネガティブキャンバーも極端であれば良いという事は全く無く、むしろ公道上では弊害の方が確実に大きく成る事を良く覚えておいて下さい。

そして、低い車高と硬いサスペンションの方が、運転していて安心感があるという方は多いかと思いますが、それは全くの勘違いで、ストロークの少ないミニ程、その小径タイヤが路面をグリップしにくくなり、車体はピョコピョコと跳ね、外側へと行きたがる事になります。そこで、アクセルを戻して多少でもタックインを利用できるミニヒーローは気分は充実するかもしれませんが、アクセルを戻さなくてもコーナーを速く抜け出せる、前を行く「三和ミニ1000チューニング」に多少離されていく事になると思いませんか?ミニ1000チューニングがコーナー手前で前を行く車にどんどん近づくシーンが、動画上に多く出ておりますが、加速、減速、そしてコーナリングの三要素がバランスされていない車は、やっぱり楽しくないのです。SUツインキャブ1・1/4インチ付きの ミニ1000(1030cc)が、ウェーバー付き1300を筑波サーキットでも公道上でも十分出し抜く事が出来るのは、エンジン出力だけが全て、と言う訳ではない証拠です。

さて、テンションロッドに話を戻しましょう。このロッドの役割は加速時には後方へ引っ張られ、減速時には前方に押し出される、例のロアアームのタイヤに近い部分を固定している部品です。前方の先端は、2枚(個)のラバーブッシュによってサブフレームと直結されております。

図2のように、このサブフレームに直結されている位置が、地面からの高さが足回りのロアアームの先端よりだいぶ高い位置にある、シャコタンミニはロアアームに対してツッパリ棒の役割をしてしまう事になってしまうのです。図でもお解かり頂ける様に、超シャコタンミニは必ずこの現象が起こる訳で、これを全く気づかずに乗り続けられているミニは案外MK1クーパーSから始まりインジェクションミニに至るまで多いと思われます。

寸法的には、表1に示すように車高を 20mm下げると 約4mmの、車高を 45mm下げると 約7mmの「ツッパリ」が出てしまうのですが、、仮に4mmのツッパリで約1°ロアアームが後方に押されぎみになり、これは図3に示すトーインとトーアウト(AとBの差で、A<Bがトーイン、A>Bがトーアウト)に必ず影響を及ぼすのです。この辺りまで来ると、現在の国産車を扱う若いメカニックの方には何を言っているのかサッパリの方も多いかと思います。これは、ミニの足回りの調整ポイントが極端に少なく、車高を下げる手段はスプリングの交換のみで調整不要という構造に慣れていないからです。しかし、古い国産車もミニと同様、車高を下げるとあれこれ調整しないと走れなくなる車は結構多かったのです。

自動車の 3 大要素の中で最も難解なのが、なんと言っても「サスペンションセッティング」で、タイヤ、アルミホイールから始まり、キャンバー、キャスター、トーイン、そして車高となり、ハードラバコン(ハードスプリング)、ショックアブソーバーまで、全てが大変重要な役割を担当しており、この内のひとつでも“選択ミス”をすると、全てが“台無し”になる事もあるのです。例えば車高を安易に下げ過ぎてショックアブソーバーのロッドが変形してしまったり、ショックのマウントブラケットが曲がってしまったりと、とんでもない事になってしまうのです。

さて、次回はテンションロッドを数種をご紹介致しますのでどれが良いかじっくり考えて下さい。そしてピロボールタイプは純レース用ですからここでは除外いたします。ピロボールタイプが付いているミニはけっこう多く走り回っているのですが、良く理解していないままミニに乗り続けている方も多いはずです。注意してください。

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